設立趣意書
気仙沼とインドネシアの顔のみえる国際交流を推進します
三陸の豊かな自然に恵まれた気仙沼市では、古来、海を渡ってこの地に至った人びとが交流をかさねながら独自の共生社会を築きあげてきました。そうした人びとのなかには、国境を越えてやってきた人たちも少なくありません。現在、気仙沼と特に深い関係を持つようになっているのがインドネシア出身の人たちです。同国の若者は、30年以上前から気仙沼の漁船に乗りこみ、地元の漁師たちとともに市の基幹産業である漁業を支えてきました。近年では、水産加工業等で技能実習生として働くインドネシア人が多くなっています。2018年、その人口は200人を超え、一時的に滞在する漁船員をあわせると1000人をゆうに越えるまでになっています。
気仙沼市とインドネシアは、産業面のみならず、人的交流の面でも独自の交流を育んでまいりました。2002年に始まる港まつりのインドネシア・パレード(初期はバリ・パレード)は、2011年に東日本大震災で中止を余儀なくされたものの、2012年には復活し、2019年には第17回を数えるまでになりました。パレードには多くの技能実習生が参加しているほか、たびたび在京インドネシア大使にも臨席いただいております。第6代インドネシア大統領のユドヨノ氏からは、市立図書館復興のために多額の寄付をいただき、2018年には「ユドヨノ友好こども館」が同館に付設されました。
東日本大震災から10年が経とうとしています。この間、市はめざましい復興を遂げました。2021年からは、さらなる発展の10年を目指すことになります。インドネシアの船員や技能実習生は復興を影で支えてくれた隣人であり、これから気仙沼が国際都市、多文化共生の街として発展していくうえでの大切なパートナーです。
こうした歴史的な関係と市の将来をみすえ、わたしたちは「気仙沼とインドネシアの文化交流活動をとおして、顔のみえる友好関係を構築する」(規約)ことを目的とする気仙沼・インドネシア友好協会を設立することにいたしました。これまで市内の多くの企業が在留インドネシア人の支援に尽力してこられました。そうした個々のご尽力に敬意を払いつつ、本法人はあらゆる企業や行政組織から独立した非営利団体として、すべての在留インドネシア人に対する支援を進め、かれらの日本理解ならびに市民のインドネシア理解を深め、互いに顔のみえる地に足のついた国際交流を促進していきたいと考えております。
なにとぞ皆様のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
気仙沼・インドネシア友好協会代表理事
千葉清人